欅坂46の無観客ライブが開催されました。
ライブ終盤には事前に重要なメッセージがあると告知されていた通りにキャプテンの菅井友香の魂の演説がありグループを改名して再出発することが発表されました。
この改名発表が独り歩きして、無観客ライブの内容自体があまり語られていないんです。
まず、ファンとしてはこれが悔しい…
だから言わせて欲しいです。
「昨日の欅坂46の無観客ライブって本当に凄かったんだぜ!」
見た人ならそれは十分に伝わったはずでしょう。
ただ、見てない人には何が凄かったか?のが全然伝わっていないのが正直悔しいです。
そういった側面や改名について含め、個人のブログでしかできないようなライブの感想を書いていきたいと思います。
なお、無観客ライブ開催発表直後にみどころを書いた記事もあるので、そちらも良ければ併せて見てください。
目次
セットリスト
2020年7月16日(木)
開場19:00/開演19:30
Overture
1.太陽は見上げる人を選ばない
MC
2.エキセントリック(センター土生瑞穂)
3.東京タワーはどこから見える?
4.Student Dance(センター森田ひかる)
5.Nobody(センター小林由依)
6.アンビバレント(センター小池美波)
MC
7.大人は信じてくれない(センター山崎天)
8.避雷針(センター渡邉理佐)
9.風に吹かれても(センター小林由依)
10.ガラスを割れ!(センター小林由依)
MC
11.誰がその鐘を鳴らすのか?(センター小林由依)
坂道初の無観客ライブが欅坂46で良かった
最初、無観客ライブの発表があった時は(その時点での)活動内容を考えると「乃木坂46」「日向坂46」に次ぐ3番手になってしまった「欅坂46」がなぜ最初に無観客ライブに踏み切るのかな?と正直なところ私は思いましたし、他にも疑問に感じた人もいるかもしれません。
※乃木坂46・日向坂46の過去の無観客ライブはあくまで無料配信なので、ここでいう有料の無観客ライブに含んでいません
ライブが終わった今思えば改名を控えており、10月という具体的な時期が明言されている以上、欅坂46がここで最初にライブをやるしかどうしようもなかった事情はあるのですが、私は昨日のライブを見て今後のプロモーション事情を考慮しなくても欅坂46が無観客ライブの最初であって良かったと心から思いました。
無観客ライブでしかできない演出の数々
無観客ライブとは言っても、普段のライブ会場のステージやスタジオを貸し切って普通にパフォーマンスをして配信する形式が一般的ですし、過去に無料配信という形で行った「乃木坂46二期生ライブ」と「日向坂46一周年ライブ」もその形式でした。
乃木坂46も日向坂46も無料配信とは思えない充実ぶりで本当に素晴らしいライブで楽しい時間を過ごす事ができました。
でも、これだとライブひとつひとつを作品として扱うことを考えると、単純に観客の有無という差しかないのです。
無観客のメリットが一切ないとは言いませんけど、ほとんどないんですよね。
そういった無観客ライブ事情の中、今回の欅坂46の無観客ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU !」は無観客にしかできない、無観客のメリットをこれ以上ないくらい全面に打ち出した驚異的なステージパフォーマンスを見せたのです。
ホール全体がステージと化す
今回の「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU !」は幕張メッセ(と思われる会場)の展示場の一角を丸々貸し切った形で行われました。
会場内にいわゆるライブステージはあるのですが、そこで全ての歌唱を行うわけでなく、メンバーは常に会場全体を縦横無尽に駆け回り展示場の会場全体がライブステージになるような演出をしたのです。
昨年末のMステの「黒い羊」演出のようなものと言えばイメージが沸きやすいでしょうか。
この無観客でしかできない演出とカメラワークにより、ひとつの映画を見るような感覚で引き込まれるようにライブを楽しむことができました。
メンバーやスタッフも準備や入念なリハーサル含めて非常に大変だったのはライブ本編を見ても凄く良く分かり、この無観客ライブに懸ける熱い想いが伝わってきました。
楽曲のテーマ性の強さと演出が際立つ欅坂46だからこそ良い
この無観客による演出は欅坂46のグループカラーと楽曲のテーマがあるからこそ、より映えたというのがあります。
乃木坂46と日向坂46にも各楽曲のテーマがありますが、欅坂46はアイドルグループの括りを超えた異質とも言える飛び抜けたテーマ性のある数々の楽曲が存在するからです。
その尖った数々の楽曲と無観客ライブでしかできない数々の演出の親和性が非常に高く、実際に今回の「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU !」は最高の公演になり無事に終えることができました。
坂道シリーズ全体で見ても、このインパクトのある非常に質の高い公演を最初に持ってこれたという事実が後々の財産になると思います。
これらの理由から、私はプロモーション事情を考慮しなくても坂道シリーズ初の無観客ライブが欅坂46で良かったと思いました。
メンバーの個性が随所で光る
平手友梨奈脱退後の初ライブとなる今回はメンバー総出で、今の欅坂46にできる最高で最上級のライブパフォーマンスを披露しました。
主に一期生が中心となり(二期生からも森田ひかる・山崎天がセンターを務める)、各楽曲を今の彼女達にしかできない表現方法で見事に表現しました。
そのパフォーマンスの良さがどれもが素晴らしかったですが、ライブを通して特に良かったと感じたアンビバレント(小池美波)とガラスを割れ!(小林由依)についての感想を書いていきたいと思います。
小池美波の表情表現による化学反応
アンビバレントは小池美波がセンターを務めました。
アンビバレントで私が注目したのが小池美波の愛らしくも妖艶な表情の数々です。
小池美波は王道のtheアイドルというような愛らしいルックスや声で多くのファンを魅了しているのは周知の事実です。
その王道アイドルとも言える小池美波とアンビバレントという楽曲のギャップがたまらなく異質な光景を生み出していて、見るものすべてを魅了する化学反応を起こしているのです。
その化学反応の起点となったのが小池美波という存在と、その小池美波の表情で訴えるパフォーマンスです。
この化学反応は今までのアンビバレントでは決して見ることができないものであり、このオリジナリティーこそが新生欅坂46に求めていたものだと確信することのできた素晴らしいパフォーマンスになりました。
小林由依の圧巻のパフォーマンス
ガラスを割れ!では小林由依がセンターを務めました。
その表現力の高さと力強さ圧巻でした。
ガラスを割れ!は幕張メッセの全体を使った演出で、その演出がまた一段と彼女の力強さを際立たせ最初から最後まで画面越しにも十分に伝わるド迫力のパフォーマンスを見せつけました。
画面を見ながら思わず「凄いな」とつぶやいてしまうくらい凄まじいパフォーマンスでした。
欅坂46に大きな動きがなかった時期にドラマ(女子高生の無駄づかい)や映画(さくら)の撮影を通して、演じることの経験を経たことが欅坂46の小林由依としても大きな成長になったのかもしれません。
その成長を今回の無観客ライブでファンも実際に目撃することができたのではないかと思います。
平手の「代理」ではなく、各々の個性を見た
小池美波・小林由依以外も全員が個性を発揮して、オリジナリティ溢れる「新生欅坂46」を見せてくれました。
各楽曲の感想が「平手友梨奈と比べて〇〇だった」というのは簡単な評ですし、建設的ではありません。
平手友梨奈がいない今、そもそも平手友梨奈と比較しても仕方がないのです。
しかし、彼女たちは比較されるのではなく、各々の個性を第一に魅せてくれるほどのパフォーマンスをやり切りました。
そのパフォーマンスは平手の代理センターをしてライブを凌ぐのではなく、各々が個性を生かして新しい楽曲のカタチを我々ファンに見せてくれた素晴らしい瞬間でもありました。
アイドル史に残る菅井友香演説
私は坂道シリーズの応援においては箱推しのスタンスですが、いわゆる推しは誰かという話になると欅坂でいうと菅井友香ということになります。
だから菅井友香のことはそこらの人よりは良く見ていると自負しています。
公に欅坂46の大きな動き伝えられたのは2020年の年初のことでした。
年初といえば菅井友香が舞台の飛龍伝で主役の大役を任せている時ことです。
この時のことは忘れもしません。
応援している私も涙が出るような日々でした。
飛龍伝の舞台の凄さ、大変さは見た人なら誰もがわかると思います。
そんな飛龍伝の稽古の時期に発表されたメンバーの卒業・脱退。
大変な稽古に加えてのグループのキャプテンとしての責任などの重荷は我々の想像を絶するものがあったと思います。
しかし、そうした弱さを一切見せずに毎週のレコメンでは持ち前の明るさで我々リスナーを毎週笑顔にさせてくれていました。
その中で駆け抜けた飛龍伝での菅井友香の姿を見て、私は自然と涙が出てきました。
その菅井が見せた涙の意味
菅井「ここまで半端な気持ちでこのグループとして続けてきた訳ではありません。私自身も大好きな欅坂46をずっとずっと守ることができたらなと思って活動してきました。」
グループの激動や大舞台との両立の中でさえ、弱さを一切外に見せなかった菅井友香が震えながら声を絞り出す姿に心打たれました。
単純な悲しさではない、悔しさや申し訳なさなどの様々な感情が頭を巡っていたのは彼女の姿を見ればすぐにわかります。
いろいろ苦悩を抱えても長きに渡って自分の胸に感情しまい続けて我慢し続けてきた日々。
その隠していた感情を公の場で口にしてファンに説明した瞬間、彼女の隠していた感情がようやく解放されて涙が零れ出た瞬間だったのだと思います。
今までどれだけ抱え込んでいたのか…
私は彼女の涙を見て、この子を絶対に最後まで応援するぞと強く思いました。
平手友梨奈の影を残しての活動継続は限界
事前の無観客ライブのみどころとして「欅坂46の新生」を挙げさせてもらいましたが、その中で平手色の強い現状の欅坂をどうするかという懸念がありました。
ひらがなけやきからの日向坂46への改名はひらがなの色と魅力を保ちながら、明るい世に羽ばたいていくという印象で、実際にひらがな色の強いライブを日向坂46に改名以降にも行っています。
今回の欅坂46の改名はそんな日向坂46のケースとは全く異なる改名だと私は認識しています。
菅井友香が言うように「真っ白なグループ」ということもあり、改名後はいわゆる欅坂46楽曲は今後一切歌われなくなる可能性があります。
いつまでも楽曲に捉われていたら、平手友梨奈の影を引きずったままの活動になってしまうのは明白で改名する必要性があまりなくなってしまうからです。
平手友梨奈が作る欅坂46の世界観は凄くて、いちファンとしても凄くいいものを見せてもらったという感謝の思いが凄く強いです。
ただ、欅坂46を新生するためには彼女の存在はあまりに大きすぎるために封印するしかという結論に達したのではないかと印象付けさせられました。
OGの素行・欅坂46の名前の悪用も原因のひとつ
菅井友香が実際にそう思っているかは私はわかりませんし、MC中の悩みもそのことを指しているのかはわかりません。
ただ、私自身は以前の記事でも書いた通り、欅坂46に有名にしてもらったのに欅坂46の名前を悪用して金稼ぎをしている一部のOGやそれを庇う妄信的なファンについては「それどうなの?」と苦言を呈しています。
実際、今回日刊スポーツでも記者からそのような指摘を受けていました。
だが一方で、一部卒業生の“醜聞”が、築き上げてきた欅坂46のブランドを傷つけたこともあった。それに関連づけるなどして、グループのゴシップを報じられたこともあった。キャプテン菅井友香(24)も「グループの名前が一人歩きして、耳をふさぎたくなるようなことに悩まされたりもしました」と打ち明けている。
これがそこらの適当な芸能メディアだったら特にここでピックアップしないのですが、坂道の火曜日というコーナーの連載もしている日刊スポーツにここまで痛烈な記事を書かせる意味を理解して欲しいです。
やっていいことを悪いことの判別が付かずにこれからも欅坂46の名前を悪用し続けるのであれば、グループの改名とコンセプトの変更をやむを得ない決断であったと私は思います。
無観客は観客のヤジが入らないのも利点だった
完全なるヤジ行為はもってのほかとして、ヤジのつもりはないけど結果的にヤジになってしまっている「MC中の頑張れコール」などが遮断されたことについては非常に良かったと思います。
菅井演説中に彼女が言葉に詰まったり涙してる時に「頑張れ~!」とか「そんなことないよ~!」とかいちいち合いの手を入れられたらたまったものではないので、そういう観点でも無観客ライブの良いところが新たに発見できた気がします。
あの菅井演説は彼女の口から最初から最後まで全て言い切って、ファンもそれを全て聞くことができたところに価値があります。
コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、ライブ形態が元に戻るかどうかは今はまだわかりません。
ただ、有観客になって今まで通りのライブが行える環境が整ったとしても、このような無観客にしかできないライブは作品の取り組みとして面白いから継続すべきと思ったし、続けることによるこのような迷惑客防止のメリットも生まれるなとは強く思いました。
残念だった点を挙げると…
公演自体は言う事なく完全に素晴らしい公演だったのですが、残念だった点を挙げます。
重大発表の予告があったこと
それは「重要なメッセージがある」と事前に告知してしまったことです。
その重要なメッセージというのは結果的にはグループの改名だったのですが、これは事前に告知すべき内容じゃないと思いました。
これだけが私は非常に気がかりでした。
事前にこのような形で告知してしまうと「今日は重大発表がある」とあらかじめ構えてライブを見てしまうんです。
気にするなと思ってもどうしても「終盤に重大発表がある」と構えてしまい、結果的に集中力が散ったままライブを見なきゃいけなくなります。
これは映画のプロモーション映像とかにも共通して言えることで「ラスト5分にどんでん返しが!」みたいに煽る映画のCMとかがあると思います。
あれも普通に見てても「最後は逆転するんでしょ?」って目線で構えて映画を見てしまうんです。
それと同じ現象が、今回の欅坂46の無観客ライブで行われてしまい、実際に集中力が散ってしまったことが残念だった点です。
これについてはもしかしたら当初は事前告知するつもりはなく、チケットの売れ行きが想定通りにいかなかったことなどの外的要因でチケット売り上げ増加に向けてのブースト施策として「重要なメッセージの予告」をやむを得ずに出したなどの事情も考えられます。
こうした運営の事情もあると思いますので、一概に予告の公開を攻めはできませんが、残念な点であったことも事実です。
無観客ライブ中の字幕の有無
実際のライブ中のスクリーン映像では観客のコール補助などになり、ライブ中の歌詞字幕はわりと嬉しいのですが、自宅で鑑賞する無観客ライブの類だと歌詞字幕は無い方がより世界観に没頭できるなと思いました。
これについては個人差もあると思いますが、私の場合はどうも字幕の存在が不自然に見えてしまいました。
普段のライブBlu-rayなどにも字幕は出てませんから、今後の無観客ライブに関しては字幕の有無について再検討して欲しいと思っています。
無観客ライブは成功だったのか?
ここまで語ってきて言うまでもないですが、無観客ライブは大成功でした!
このライブをひとつの作品として見ても大成功でしたし、新生欅坂46としての一歩を踏み出す意味でも非常に良かった公演だと思います。
事前に多くのファンから言われていた「なぜ無料じゃないのか?」「3600円(FC限定は4600円)のチケット代が高すぎる」などについてですが、金額以上の体験を間違いなくできたと私は断言できます。
菅井友香の魂のこもった演説だけで3600円払う価値があると私は感じましたし、何よりライブ本編が凄すぎてメンバーや関係者の熱量の高さがダイレクトに伝わってきました。
ライブを見終わった時の感想はただただ素晴らしい、これは本当にいいもの見たなと、率直にそう思いました。
今回の公演は今後の坂道シリーズの無観客ライブ開催にも繋がる大成功の結果と言えると思います。
今後、坂道シリーズで有料配信の無観客ライブの開催があった際には四の五の言わずにチケットを購入することを強くおすすめします!
さいごに
直接声で「よかったよ!ありがとう!」と伝えることができないのは残念ですが、ここで文字だけでも感謝の意を唱えさせていただきます。
まずはスタッフとメンバーに素晴らしいライブをありがとう、お疲れ様でしたと感謝の気持ちを届けたいです。
無観客でしかできないことを全面的に生かした、今まで見た事のないような公演は過去の欅共和国や東京ドーム公演にも負けないぐらい素晴らしい公演になったことを見た人の多くが感じたと思います。
そして、欅坂46のこれからを考える意味でも節目となる公演になりました。
メンバーやファンも今回の改名や今後の方向性について様々な思いがあると思います。
ただ、ここから先は明るい未来が待っていると私は信じています。
菅井友香が言ったように我々ファンも前を向いて、新たな欅坂46を応援していきます。
そしてこれから控えるラストシングル、ラストライブともに最後の瞬間まで一秒たりとも目を離さず見守っていきたいと思います!
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