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出し惜しみなし「那須川天心vs堀口恭司」が行われる凄さについて語ろう!

プロレス・格闘技
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いよいよ、今月末の2018年9月30日(日)にRIZIN.13で国内最大の格闘技ビッグマッチ「那須川天心vs堀口恭司」が行われる。

出し惜しみ一切なしの好カード、国内格闘技において間違いなくここ何年かの中で最大級のマッチメイクだ。

この世紀の一戦でカード決定の報を受けて、多くの人が沸いた。

格闘技ファンだけでない、日本中の多くの人の興味関心を巻き込んだ世紀の一戦。

このカードが行われる凄さと見所を紹介していきたいと思う。

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日本格闘技にあの熱が戻ってきた!


(※世紀のカードが発表され日本国内中が沸いた)

カード発表の報で沸いたのは格闘技ファンだけではない。普段、格闘技を見ていない人も沸いたのだ。

普段あまり格闘技を見ない彼らはUWFを知らない層であるのは言うまでもないし、PRIDE全盛の2000年代初頭の日本格闘技バブルさえも経験していない。そんな普段は格闘技観戦をしない人から「天心!堀口!天心!堀口!」という声が聞かれるのだ。

このような状況はPRIDEのヘビー級3強時代(ヒョードル、ノゲイラ、ミルコ)時代ぶりである。

私は「また日本国内でこのような現象が起きるとは…」と少し感慨深い気持ちとなった。

ヒクソン・グレイシーと高田延彦から始まったPRIDE。初期の頃は会場の多くがプロレスファンで占めていた。そしてPRIDE側もプロレスファンからの支持を求めていた。事実、プロレスファンに刺さるマッチメイクや演出を行い、多くのプロレスファンを獲得していった。私もその中の一人だ。

このように格闘技プロレスの進化系のような形で興行を重ねていったPRIDEだが、いつしかプロレスブランドに頼らずにMMA実力史上主義にシフトしていき、3強時代が到来する。この3強時代にフジテレビのゴールデンタイムでの中継の効果もあり、空前の格闘技大ブームとなった。

あれから様々な事情がありPRIDEが崩壊し、日本格闘技バブルは弾けた。

それと同時に多くのファンもいなくなった。あれだけいた3強時代のファンは今何をしているかわからない。バブルが弾けた後に残ったのは元々格闘技やプロレスが好きな人達が中心であった。もちろん、そのまま格闘技を愛してくれている人もいると思う。

しかし、多くのファンが消えたことにより格闘技界は衰退していった事実がある。消えたファンだけに原因があるわけでなく興行の質という意味においても厳しい興行が続いた。

あれから、日本格闘技が格闘技というジャンルを越えて大きく盛り上がった事はない。

しかし、時を経て2018年。

今回の世紀の一戦はあの時の盛り上がりに似ている空気を感じるのだ。

今回の那須川天心と堀口恭司のチケットは実数で1日で1万枚以上売られたという、プロレス・格闘技は当日券が伸びる傾向にあり、前売り1日でこの枚数が出たのは驚きである。この枚数はPRIDE全盛の頃に匹敵する勢いだという。

あの時の熱が蘇りつつあるのだ…。

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国内格闘技で出し惜しみをしないのが異例

日本格闘技界は良くも悪くもスターを無理矢理作る方向で興行を行ってきた。

「試合が面白い」「強い」「人気がある」この3拍子が揃っているのが前提はあるが、そういった選手をプロテクトしてその選手を軸に興行を回していく。人気のある選手が負けないように、強く魅せるようにマッチメイクを行い、選手を育てていく。時には別ジャンルの選手が言葉は悪いが食い物にされる。主にプロレスラーだったり、旬の過ぎたボクサーなどが食い物にされてきた。

反面「試合がつまらないけど強い」「顔が悪い」といった地味に強い選手には陽を当たらせない。万が一、彼ら地味な選手が人気のある選手を倒してしまったら困るからだ。これが日本格闘技界がやってきたことだ。

この現象については興行を組み立てる上では致し方ないし、お客さんを楽しませる上では必要なことではあるように思う。その為、悪いとは思わないが多くのファンの反感を買ってきた側面もある。

反感を買う。それは当たり前だ。

実際に興行面を理解はしていても頭にくるものはくる。私もプロレスから格闘技ファンになった人間だから試合数日前にプロレスラーにオファーして無様な姿を晒させたり、旬を過ぎたプロレスラーを噛ませ犬にしたりするマッチメイクには心底腹を立てていた。ボクシングファンもきっと同じ心境だっただろう。

兎にも角にもこうして人気選手を作り、ストーリーを作って引っ張るだけ引っ張って…ようやくカードが実現という興行の組み立て方をしていたのだ。

対して海外を見てみよう。世界最大の総合格闘技団体であるUFCは今でこそネームバリューやPPV収益が高い選手を優遇してメガファイトが時折行われるものの、基本的な方針としては出し惜しみなしのマッチメイクで多くの支持を得てきた。

日本格闘技バブルが弾けた後は特にそれが際立った。

UFCは初期のトーナメントを除き、ワンマッチでのマッチメイクとなるが、連敗したり試合が面白くなければ即リリースされる。リリースとはクビである。もちろん選手は必死で試合をやる。そして勝った選手は勝った選手同士でマッチメイクされる。

さながらトーナメントのような図式で試合が行われているのだ。

この出し惜しみなしのマッチメイクが世界各国で毎週のように行われており、緊迫感のある試合が次々と行われた。総合格闘技のパイオニアでありながら、PRIDE全盛時代は二番手であったUFCだが瞬く間に他を寄せ付けない世界最大の総合格闘技団体になったのである。

私はこの出し惜しみしないUFCのマッチメイクがUFC躍進の最大の理由と考えている。

しかし、その反省も生かせず日本格闘技で現在一番大きなプロモーションであるRIZINでもスターを作るマッチメイクがまだある。テレビでの視聴率などを考えるとどうしても日本ではこの路線が重要になってきてしまうのだ。

だが、今回決定した「那須川天心vs堀口恭司」の一戦はそのマッチメイクの真逆を行く、最大級のガチンコカードなのである。

「実現か?」という流れを持たせてからの即実現。未だかつてこのスピード感でこの規模のカードが実現したことがあっただろうか?

この出し惜しみなしのカードの決定は日本格闘技界において異例中の異例なのだ。

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堀口恭司の懐の深さから実現した一戦

ネット上では堀口も保守的なマッチメイクでスター化させているという声が目に入る。

これについては断固違うと言いたい。「お前ら何を言っているんだと(笑)」と言っておきたい。

堀口恭司は常に強い相手と戦い続けている。むしろこの階級で堀口よりも強い選手というのがパッと思い浮かばない。相手が思い浮かぶなら教えてほしいぐらいだ。

堀口が国内復帰後の相手を見てみよう。

・元谷友貴
・石渡伸太郎
・扇久保博正

国内のMMAプロモーションのDEEP王者、パンクラス王者、修斗王者を文句ない形で全員撃破している。これらの選手は決して弱いわけではない、むしろ元谷も石渡も扇久保全員強い。誰一人として弱い選手はいない。更には元UFCランカーのイアン・マッコールも下している。文句の付け所がないのだ。

堀口は相手を選ばずこれ以上ない茨の道を自ら進み、その全てをクリアしている。これ以上の相手が見つからないのだ。

そんな中で国内敵なしのキックボクサーの那須川天心との対戦をぶち上げた。しかも初挑戦のキックルールでぶち上げたのだ。普通は慣れないルールで敗北するリスクを考えて、こんなことはしない。

堀口曰く、この一戦は「日本格闘技界を盛り上げる為」らしい。このプロ意識の高さは本当に尊敬する。強さはもちろん、自己プロデュース力に天晴れである。ファンが見たいカードを遠慮なくやりたい、そう思って自ら実行に移す選手が出てきたのだ。

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キックルールだからこそ生まれる緊張感

「那須川天心vs堀口恭司」の試合はキックルールで行われることに意味がある。

MMA(総合格闘技)の実績において堀口恭司は国内トップどころか世界トップレベルなのは言うまでもない。打撃・ディフェンス・寝技とも卓越した技術を持っており、同階級の他の選手と比べても大幹が非常に強くポジショニングコントロールが上手い。

那須川天心が現時点で堀口恭司をMMAで破るのはラッキーパンチが序盤に命中する以外、まず不可能である。いや…そのラッキーパンチすらもMMAの試合での距離感などを考えるに今の堀口に命中させるのは難しいだろう。

結果が見えている。そんな試合をやって誰がおもしろいのだろうか?

エンターテインメントとしての格闘技の興行の面白さはどちらが勝つかわからない、勝敗を予想し難いというところにあると思う。

「RIZINはMMA団体なんだからMMAでやれ」という声もあるかもしれないが、MMA団体の前にRIZINは格闘技エンターテインメントである。お客さんを喜ばせてナンボの世界だ。

MMAでは勝負にならないが、キックなら那須川天心が有利、でも何かが起きる予感がする…そう思わせるからこそ、このルールでやることに意味があるのだ。

キックでやるからこそ緊張感が生まれるのだ。このルールでやるこの一戦こそが、現時点で日本で実現できる最大級のカードであると断言できる。

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那須川天心にとっては負けられない一戦

那須川天心であるが、彼もまた堀口恭司同様に相手を選ばず強豪と戦い続けている。RIZINのリングでのマッチメイクは保守的なマッチメイクが目立つものの、これは本人が意図したものではない。相手選びや興行的観点など様々な視点からこうなってしまったものと思われる。

一方ホームであるキックボクシングのリングであるRISEやknockoutでは相手を選ばずタイの強豪と拳を交え、緊張感のある好勝負を連発している。那須川天心、彼もまた恐れを知らないファイターだ。若干20歳にして大した選手である。

そして今回も試練の一戦となる。那須川天心にとっては有利と見られるキックルールで「勝って当たり前」という見方もする人も出てくるかもしれない。そういったリスクがあった上で勝負を受け入れている。

那須川天心にもまた天晴れである。

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世紀の一戦を刮目せよ!

この世紀の一戦は当日にフジテレビでの生中継やPPVでの放送が組まれている。

◆放送局:フジテレビ系列全国ネット
◆放送日:9月30日(日)19時57分~
◆公式サイト : https://www.fujitv.co.jp/rizin/

会場に行けない人はテレビでチェックして欲しいが、行ける人はぜひ会場に行ってみてほしい。

この興行については試合結果だけでなく会場の熱があの時の熱を取り戻しているかにも個人的には注目したい。PRIDE以来、あの会場の異様な熱気はプロレス・格闘技ともに越えられていない…。

この試合・興行が日本格闘技界の新時代の幕開けとなるか…その目でしっかり見届けたい。

(著:じゅるる)

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